NBIのソリューション

提携とM&A

生存戦略の時代:業界再編の波に乗る

生存戦略の時代:業界再編の波に乗る

 過去30年、ヒットした事業のほぼすべてが、ダウンサイド志向のローコスト事業でした。日本経済は徐々に貧困化し、地方経済は砂漠化し、市場が縮小してきました。日本のベンチャーは、その砂漠化を逆手に取って低価格ビジネスを拡張してきたのです。

 残念ながら、これからも日本企業は「底への競争」「生存競争」に追い込まれます。財政は破綻寸前であり、高齢化のもたらす害毒に、日本の企業社会は全く対抗できていません。これからも生存を賭けて、企業間の再編が繰り返されるでしょう。

 将来の事業機会は、業界再編トレンドの上にあります。主要な企業がストラテジックバイヤーとして名乗りを上げ、再編の渦中において提携とM&Aを繰り返す時代が到来しているからです。これからのベンチャーは、さらに砂漠化する経済においてローコスト事業の先兵を担うでしょう。低価格に強いベンチャーが大手と提携し、相互にウィンウィンになる事例も増えると考えられます。すでに過去に比べれば信じられないほど数多くベンチャー企業が、大企業と容易に提携できる時代が到来しています。

「再編シナリオ」と「事業シナジー」を実現する

「再編シナリオ」と「事業シナジー」を実現する

 日本企業が行うM&Aにおいては、過度に機会的なインバウンドM&Aが多いのが、これまでの特徴でした。インバウンドM&Aは金融機関からの持ち込み案件が多く、事業シナジーを確認しないまま統合し、結果的に成果を得られない企業が数多く見られます。過去、当社が統合後に再調査した結果、「事業シナジーが確認できない」と判定したケースも少なからずありました。

 業界の再編シナリオと、自社との間に生じる事業シナジーを確認せずにM&Aに踏み切ると、必ず失敗を招きます。また、真に効果あるM&Aを手掛けようとするなら、インバウンドではなくアウトバウンドで行うべきです。つまり、再編シナリオ、事業シナジー、統合戦略を自ら持ち、全体をコントロールできるM&Aに事案を絞るべきです。これは企業間の提携、あるいはマイノリティー出資に関しても、同様に当てはまる構図です。

 当社はバイサイドに付き、再編シナリオと事業シナジーの検討から個社別の提案へ、さらにPMIを含めたトータルなM&Aを支援しています。このように機会主義に走ることなく、基本通りに正しい手順をもって進めることが、リスクあるM&A案件に対する最善の対処方法であると考えます。

世界でも戦える専門性と思考力を養う

世界でも戦える専門性と思考力を養う

 日本企業のマネージャーには専門性が不足しており、それが世界と国内市場で苦戦する一因になっています。

 すぐにSWOT分析を使いたがる傾向は、その顕著なものでしょう。SWOT分析は1960年代の概念であり、後に発見されたイノベーションジレンマに対処できません。ましてや、提携/M&Aという高度な業務では使えません。
 ところが、日本のマネージャは今でも根拠もなくSWOTを持ち出してきます。このように特定の知識だけを「つまみ食い」するタイプの思考力から脱する必要があります。
 思考力は系統的に養われます。SWOT分析が使えるかどうかは、他のフレームワークをすべて知って、初めて判断できるのです。

 提携/M&Aという限られたチャンスにおいて確実に成果を上げるためには、限られた時間の中でも正しい専門知識を使う必要があります。当社は高度な知識業務の背景にある「思考の体系」をすべてまとめたうえで、圧縮されたサイズの研修を実施します。必要な各種のフレームワークを選定したうえで事業チームに提供し、限られた時間の中でも自ら考え、判断できる思考力を短期に育成します。